(注:後日、事実検証をしたうえで記事掲載当初から記述を一部削除しております。)
前回の記事で投資の一環として、ソーシャルレンディングをしていて利用している3社のうち、SBIソーシャルレンディング㈱を利用していると書いた。
しかし、去年の秋口から3社ほぼ同時に投資を開始し、毎月利金のSBIソーシャルレンディングとクラウドバンクは、冬あたりから順調に利金が入ってくるようになっていた。そのような中、SBIソーシャルレンディングについて年明けから不穏な雰囲気が漂ってきた…。
発端の文書(2月5日)
2月に入って、当社より以下の文書がおもむろにリリースされた。
どうやら、貸付先にまずいことが起こったようだ。というか、元々ヤバい(反社会的勢力?)会社なのか、資金繰りでヤバくなってきているのか、全く不明。とにかく、当社が募集した案件の一部について、デフォルト(当初のスケジュールどおりに、利金どころか元本さえも回収できなくなること)の可能性が高まっているようだった。
ちなみに、後の祭りかもしれないけど、第三者委員会を立ち上げたこと等の本件プロセスについては、ほかの同業より「ちゃんとやっている」感は感じられた。なにせ、最近色々と経済界を賑わせている(騒がせている)SBIグループだ。貸付先の状況等はともかく、発覚後の事後的なプロセスについても隙を見せるわけにはいかないだろう。
2月8日
しばらくして、当方のマイページも以下のような文書が発信されてきた。
情報として、あまり新しいものはない模様だが、案の定、貸付先が「クロ」であることがほぼほぼ確定したようだ。分配(利息)については、元々問題のあった、カンボジア個人向けローンファンドを除いて、問題先の案件含めて予定通り支払われるようだ。
当たり前だが、これで一安心、とは全くいかない。
事の真相は…?
事を同じくして、雑誌FATCAで本件に係るスクープが報じられていた。
(当初はフリーで閲覧可能であったが、今は会員限定の有料記事となっているので悪しからず。)
記事のポイントとしては以下のとおりである。
- 資金が事業以外に使われていた恐れがある(2019年11月に募集した「SBISLメガソーラーブリッジローンファンド」の資金を他社の資金繰りに充て、当該ファンド資金を他ファンドの募集で償還に回そうと計画し、SBI側に発覚した模様)
- 対象として、注意すべきは福島県を対象とした未償還の太陽光ファンド
- 問題が指摘されたファンドはソーラ発電案件の24/25号で、償還に充てられたとされるのは同33号
- 当事者である事業者は『テクノシステム』(当社資金繰りに流用の疑い)
※後日、事実検証をしたうえで記事掲載当初から記述を一部削除しております。
問題の24,25号については、FATCAが
SBI内で、この2本のファンドをデフォルトさせるわけにいかないと判断した親会社のSBIが、新たなGKを「リニューアブルシステム9号」と「同10号」の代表社員に据え、そのGKに昨年11月末、41億円もの極度額を設定して償還資金を肩代わりした。
と報道しており、どうやら33号を除いて当初の2ファンドは期限前償還されて無事終わったようである。
また、問題の24,25号は福島県の案件であり、福島の太陽光発電設備は一向に進んでいなかったため、実質デフォルト状態だったとの模様。
福島案件で未償還のファンドは他に29号が残っているため、当該ファンドも本件リスクを負っている可能性があったとのこと。
更なる進展(2月17日)
ここで、さらに進展があり、SBIより以下の通知がなされた。
取り敢えず、該当事業者が「クロ」であることがほぼ確定し、SBIソーシャルレンディングが仲介業者として善管注意義務を果たしていなかったことをほぼ認めた形である。今後の対応としては、期日がまだ到来していないファンド33号を4月以降に期限前償還することで、本件の幕引きを図りたいようだ。
期限前償還のための資金は、大方SBI側が肩代わりして支払うものとみられる。たぶん、当初は筋を通すために該当事業者に払うように要求したものの、案の定、当事者に資金的余裕が無かったので渋々肩代わりする、というやりとりをしたために時間がかかったのだろう。
今後の成り行きは…?
いまのところ、この事件があってか、SBIから新たな「オーダーメイド型」案件の募集は行われていない。本件の幕引きが図られたタイミングで、従前のビジネスに戻るものとみられる。月2回定期的に募集・組成される「不動産担保ローン事業者ファンド」はリスクの割に利回りも低いので利用するつもりはない。それまでは、筆者にとっても「使えない業者」になってしまうので、早く本件の解決を望むばかりである。
前回のソーシャルレンディングの記事で、おススメ3社を紹介し1番手として最大手であるSBIソーシャルレンディングを推していたが、結局このような事態になったのは、運もあるけど自分の先見の無さに反省しきりである。また、改めて貸付型ソーシャルレンディングのリスクの高さを思い知ることになった。
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クラウドファンディングの話
日々、資産拡大を目指している中、最近はクラウドファンディング(後述)の資産割合をもう少し増やしたいと思っている。 そこで、投資手段の選択肢の ...
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また、本件以降、当社には「投資型クラウドファンディング」取扱最大手の企業として、改めて襟を正したうえで更なるコンプライアンスの強化、貸付先の厳正な審査と事後モニタリングの強化を実施して、投資家にとって安心な運用手段の提供を願ってやまない。