新型コロナウィルスが蔓延して、はや1.5年くらい経過した。
未だに日本国内の生活は相変わらず、緊急事態の自粛と解除を無為なく繰り返していて、自分たち現役世代の経済は限界に達しようとしている。
そんな中、不意に職場の上司から半強制的に抗原検査を受けさせられたので、それについてレポートしたい。抗原検査キットは星の数ほどあるけど、基本的に検査方法は同じだと思う。検査してみて初めて実感した難しさやコツもあるので、職場や学校などで使う機会がある人には参考にしてほしい。
「東京はコロナ地獄」という地方認識
検査キットで検査をしたのはGW明けの次の土日。
当時、3度目となる緊急事態宣言が、2021年4月25日より発令中。東京、大阪、京都、兵庫の4都府県が対象で、5月11日までの17日間が対象で、連休中の「ステイホーム」を呼びかけられていたものの、自分は単身赴任の身。こんな長い連休中に縁もゆかりもない新潟に一人で籠っていろとでもいうのか、いや無理。
ということで、さすがに5月のGW連休中は、職場に断っておいたうえで赴任先の新潟を出て東京に戻り、久々の家族と再会。連休中は、特に遠出もせず家族と自宅中心にゆっくり過ごしていた。
ところが、休みが明けた第一営業日目の朝に職場より電話があって「東京に行った者が職場にいると、職場の社員たちが不安がるので、悪いけど自宅で2日休んでて。あと、検査キットを渡すから、それで陰性を確認したら出てきていいよ」という趣旨の指示を受けた。
職場は全員新潟市民。上越や長岡と違って関東への悪政巣は悪いこともあって、余程のことがない限り県境をまたいだ移動をすることが殆んどないことや、東京は人数が多いこともあって感染者が新潟とは桁違いであることを考えれば、まあ頷けなくもない。でも、自分はそこの職場に要請されて東京から単身、家族を置いて駐在している。なんか、悪いことをしていないし、体調も悪くないのに、すっかりバイ菌扱いされた感じで、なんか気分はやっぱり悪い。
とか色々とモヤモヤしながら、連絡を受けた翌朝に一応いつもどおりスーツを着たうえで職場の1階入り口受付で検査キットを受け取り、そのまま帰宅した。その間、わずか30秒足らず。
検査キットの内容
受け取った検査キットは、歯磨き粉サイズの長さの薄い箱で、英語表記のみ。
製造元は中国のようで、しっかりと「Shenzen(深圳) China」と書いてあった。まさに今、武漢研究所から流出したかどうかで米国・欧州勢と中国がもめている中、何たる皮肉・・・!
キット内容は、検査キット本体(写真真ん中右)、鼻奥の粘液を採取する長めの綿棒(写真右下)、粘液と試薬を混ぜる容器(写真中心)、試薬(写真左)とかなりシンプル。
検査方法は上の写真のとおり、鼻に綿棒を差し込んで奥の粘液を採取して、予め試薬を入れておいた透明容器に突っ込んで混ぜる。それを検査キット本体の試薬受けに注入して、赤色のバーの有無を確認するといった流れだ。
ちなみに、そもそも「C」のラインが赤色にならないと失敗。「C」だけなら陰性、「C」も「T」もラインが出たらアウト(陽性)。なんかドキドキする。
検査実施! まさかの・・・
いざ、テスト。採取した粘液を試薬と混ぜて、キットの下部の試薬受けに注入する。
しかし、そもそも試薬がすごく少なくてもはや1滴の無駄も許されないような状況。試薬を混ぜる容器の蓋の先にある注入口から注ぐと書いてあるが、試薬が蓋と容器の間にかなり吸収されてしまい、注入できたのはわずか1.5滴程度…。さあ、結果はどうなるか、ドキドキ・・・
あれ、なかなか「C」に赤ラインが出てこない・・・。
そして、そのまま20分、40分・・・結局、キットに赤ラインが出ることはなかった…。要は「失敗」。
慌てて、職場の上司に連絡のうえ週明けどうするか確認したところ、
「朝イチ早めに来て、もう一度同じキットで検査をして、陰性が確認できたらOKということで」
ということで、翌日朝は早めに出勤して別室(来客用応接スペース)で、一人緊張しながら再検査を行った。
エピローグ
結果は、無事「陰性」。
前回はやはり明らかに試薬が足りていなかった。前回の反省を活かし、マニュアルの手順を敢えて無視して、容器の注入口からではなく、ふたを開けて直接注ぐことにした。そしたら、みるみるうちにキットの研紙を試薬が浸透していくのが目に見え、わずかな時間で「C」にだけ赤ラインが出現した。(写真右が今回、左は前回の失敗分)
これで晴れて「身の潔白」というか、東京にいたけど感染していないことが証明され、「新潟の人」に戻ることができた。
自分が使用した検査キットのほかにも、抗原検査キットは星の数ほどあるけど、ざっと見た感じ大体の作りや構造はほとんど同じだから、上記で筆者が痛感した難しさやコツも大体同じだと思うから、この記事を参考にくれぐれも失敗のないよう、検査に臨んでほしい。
検査キットは、近所のドラッグストアやAmazonでも売っている。一応、リンクを貼っておく。
コロナ情勢と世間の論調
ちょっと前まで、65歳以上の年寄りが「早くワクチン打たせろ」と騒いでいたのも今や過去…。65歳未満の現役世代は、職域接種を確保してもらえるような一部上場企業のエリートを除いて、大多数がいまだに接種できずにいるというのに。
世間は既に、反対を押して強行する東京五輪の選手、関係者の受け入れの杜撰さや、観戦ルールの驚くべきユルさに注目が移っている。
もはや現役世代のこと、国内経済の行く末についてはどうでもよい問題のようだ。なぜなら、今のテレビのメイン視聴者は一日中テレビをつけっぱなしで見ている老人たちだからだ。テレビをメインとしたマスコミの論調は、高齢化が進み切った日本の多数派である老人の主張にいつの間にか成り代わっている。
趣味趣向やエンターテインメントの多様化、ネット媒体の高度化と普及により、昭和時代の娯楽のメインだったスポーツ観戦はマイナー化しているから、筆者もその子供もスポーツ観戦には興味がないし、五輪の開催するしないも元々正直どうでもよい問題だ。
そもそも、従前から五輪開催を心待ちにしていたのは、東京オリンピックへのノスタルジーを抱いた老人たちと、五輪マネーによって潤う土建業とスポンサーのマスコミ、利権拡大を目論む政治家たちだけだったんじゃないだろうか。
そして、新聞やテレビといったオールドメディアが、メイン先である老人向けに五輪ムードを盛り上げ、コロナで勝手に落胆し自暴自棄になって、運営元のJOCや東京都、政治家に文句を言っている様子を、元々関心の薄かった現役世代が冷ややかに見つめているような気がする。
五輪はどうでもいいから、取り敢えず欧米のように、いち早くコロナ蔓延を食い止め、感染防止のための自粛ムードを解除して経済を正常化する、そして以前のように安心してマスクを外して交流できる社会に戻ることを、我々現役世代は切望しているのだと思う。